勝手にりゅうおうのおしごとかんそうせん! 居飛車と振り飛車、捌き
りゅうおうのおしごと!読者かつ超初心者向け解説記事第3回。
3巻から生石さんという振り飛車が得意な棋士が登場し、八一がオールラウンダーを目指したりしています。
その違いは何じゃいなという方向け。
作中では「居飛車は理論派、振り飛車は感覚派」と説明されていたかと思いますが、私のブログでは今回もサッカーで例えようかなと思います。
このシリーズでは将棋盤を出さずに解説するのが私の目標です。
今回はいつにも増して単純化した説明になるのでご了承ください。
前提 戦法は2つしかない
まあ細かい事を言えばめちゃくちゃ沢山戦法があるんですが、大ざっぱに分けると「居飛車」と「振り飛車」しかありません。
プロには居飛車党が多いです。逆にアマチュアには振り飛車が人気。
居飛車は王者のパスサッカー
居飛車をサッカーの先述にたとえると、緻密なパスサッカーです。
常に主導権を握り、緻密かつ重厚な指し回しで相手を抑え込み、陣形を崩していきます。
うまく指せば面白いように自分たちの力強いサッカーが展開できるのが魅力。
一方で切り崩しきれないうちに隙をみせるとたちまちボールを取られてカウンター攻撃をくらいます。
しかも守備にあまり人数を割いていないのでカウンター攻撃が致命的に痛い。
そういう点で奥が深く、アマチュアが指しこなすのはなかなか大変です。
定跡が多いってのも初心者の壁ですね。
サッカーで言うと、相手の陣形に合わせて通用する攻めパターンをある程度覚える必要があります。
格闘ゲームで例えるとこんな感じ。
うまく攻めを繋げば圧倒できますが耐久力に難ありです。
伝わってるでしょうか。
振り飛車は一撃必殺のカウンターサッカー
まあこの画像はアレですけど。
主導権を手放す代わりにゴール前を固めて相手の攻めを待ち受けます。
相手の攻めを引きつけた上でボールを奪い、一気に前線にボールを送って勝負を決めます。
狙いが単純なのでどんな相手にもだいたい同じやり方ができる(上手い人同士だともちろんそんなことは無いですが)というのと自陣の守りが堅いことが良いところ。
しかし相手の攻めを引きつけた上でカウンターを決めるのは独特の感覚が必要です。下手をすればそのまま潰されます。そこらへんは難しいですね。
格闘ゲームでいうとこんなイメージ
主導権を握って攻めるには向いていませんが、耐久力と腕力に自信があるのでどこかでカウンターパンチが一発入れば一気に勝ちに近づきます。
「捌く」とは
振り飛車特有の技?として「捌き(さばき)」というのが作中で何度も登場しますね。
捌きとはどういう概念なのかをざっくりご紹介します。
ここからはサッカーで例えるのが難しいので格闘ゲームを例にとって説明します。
(正確な説明では無いことはあらかじめ言っておきます。)
さて、さっき紹介した通り居飛車は緻密な攻撃に自信があるが耐久力に難があり、一方振り飛車は緻密には動けないものの耐久力に自信があります。
では、この2人が対戦する時、振り飛車はどんな戦闘スタイルを心がけるべきでしょうか?
答えはもちろん、「距離を詰めて殴り合いに持ち込む」です。
殴り合いになれば攻撃の緻密さなんてもう関係ありません。
ボコボコに殴り合って、勝つのは耐久力の高い方です。
というわけで、この「無理矢理にでも距離を詰める」のが「捌く」だと思ってもらえれば良いでしょう。
もちろん強引に距離を詰めようとすれば居飛車相手に先制パンチの1つや2つは食らうかもしれません。つまり、駒をいくらか取られるかもしれません。
それでも耐久力を活かした攻め合いに持ち込むのが振り飛車に必要な「捌き」です。
なんとなくイメージがつかめたでしょうか?
なんか今回の記事が一番詳しい人に怒られそうな気もします。
もっと単純でわかりやすい説明があると良いんですけどね。
次回は……どうしましょう。決めてないです。
もう少し戦法を詳しく書く、かもしれません。
「あいがかり」とは?「一手損角換わり」とは?みたいな。
★前回