勝手にりゅうおうのおしごとかんそうせん! タイトル戦とは
私のブログで『りゅうおうのおしごと!』の元ネタを調べて紹介させていただいた記事があるんですが、結構見に来てくださる方が居て嬉しいです。
この記事が想定する読者
この記事では
『りゅうおうのおしごと!』からちょっと将棋に興味を持ったけど将棋のことが何もわからないよ!という超初心者の方向けに原作の将棋シーンの何が凄いのかがわかるように将棋のこと、将棋界のことを簡単に紹介できたらと思います。
将棋が強くなる方法とかは書きませんし書けません。これを読んでも将棋が指せるようになりません。
とにかくぱぱっと将棋の入り口を覗いてみたい方向けです。
ざっくり言うとアニメ放送の後にやっている「りゅうおうのおしごと! かんそうせん!」を私が勝手にやるみたいなイメージ。
※なるべく専門用語を使いません。別のスポーツなどに例えて説明します。
※単純化して紹介するため厳密には正しくない表現が多く含まれます。
※将棋中級者が勝手に書く記事なのでくれぐれも信用しないように。
そんな感じ。
第1回はタイトル戦について。
原作1巻は八一が「竜王」のタイトルを獲った後に11連敗からスタートしますね。そのほかには「名人」がいますし、生石「玉将」も3巻から出てきます。
各タイトル戦の特徴などを紹介したいと思います。
タイトルは8つある
タイトルは8つ。
どれか1つを1回でもとれば超一流棋士、複数を保持すれば10年に1人のレジェンドです。(2ちゃんねらー曰く)
ちなみに獲得回数は「期」と数えます。2つのタイトルを1回ずつ獲れば通算2期。1つのタイトルを3連続で獲れば(つまりタイトルを奪取した後2連続で防衛すれば)「連続3期」です。
羽生善治さんは今「99期」。気が遠くなりそうです。
他のタイトルは名前を覚えなくても別に良いんじゃないでしょうか。(こんなこと書くと将棋界の人にめっちゃ怒られそう)
名人戦はJリーグ
サッカーで例えると名人はJリーグ王者って感じでしょう。
サッカーでJ1、J2、J3があるのと同じく、名人以外の全棋士が5つのリーグに分かれ1年かけてリーグ戦を戦います。(順位戦と呼びます。)
(図がガタガタだ……)
各リーグの上位2人が昇格し、来年度から1つ上のリーグに参加できます。
一方成績の悪かった人は降格します。これもJリーグと同じ。
そしてA級のリーグで最も成績の良かった人が名人への挑戦権を得ます。
7番勝負を戦い、勝った方が名人、負けた方はA級に行きます。
Jリーグと同じように、これが最も歴史と名誉のあるタイトル戦ですね。
プロ入りした棋士はまずC2クラスに入るので、順調に昇格を繰り返しても名人に挑戦するまで最短でも5年かかることになりますね。
作中で15歳でプロ入りしたばかりの八一は名人への挑戦どころかまずはC1クラスへの昇格をめざすしかありません。
とにかく1年を通じて安定した成績が出せないと昇格できませんし、それを何年も繰り返さないと名人に挑戦すらできないわけですから本当に名人は雲の上の存在です。
ちなみに現実では中学生でプロ入りした谷川浩司九段が19歳で名人を獲得しています。
うーん化け物。
若い棋士が C2でも更に成績が悪くなるとフリークラスという更に下位身分になります。
それなりの成績を上げればC2に復帰できます。
逆に長期間フリークラスから脱出できなければ引退となります。
若くない棋士がC2で成績が落ちると、そのまますぐに引退となります。
ひふみん(加藤一二三九段)が去年引退したのはこれのためですね。
竜王戦は天皇杯
おまちかね、八一が保持している竜王について。
竜王戦の特徴はなんと言っても
・めちゃくちゃ賞金が高い
・誰にでもなれるチャンスがある
ことです。
竜王戦の賞金は約4000万円。
名人戦の賞金は非公表ですが約1000万。(※諸説あり)
他のタイトル戦もそれより低いので竜王1つで他のタイトル全てを合わせたよりも高額な可能性があるのかな?
そして誰にでもなれるチャンスがあるというのが面白いところです。
全棋士が1組から6組までに分かれ、各組で予選トーナメント戦が開かれます。
6組には新人のプロだけでなく女流棋士やアマチュアにも参加枠があり、厳しい予選をくぐり抜ければトップ棋士に混じって決勝トーナメントに出場できます。そこも勝ち上がれば一気に竜王に挑戦!
まさに竜王戦ドリーム!ですね。
J2や地元クラブチームでも優勝の可能性のあるサッカー天皇杯と似ていると思いませんか?
八一も前年に予選をくぐり抜けて一気に竜王まで駆け上がったんですね。
ちなみに現実では藤井聡太六段(当時四段?)がいきなり予選を突破して本戦トーナメントに駒を進めました。残念ながら本戦2回戦で敗れて29連勝が止まりました。
叡王戦は...たとえづらい笑
名人戦、竜王戦とサッカーに例えてきたんですが、叡王戦はたとえづらいですね...
特徴は
・予選から全対局が中継されること
ですね。
以前、電王戦という人間とコンピュータが対戦する企画がニコニコ動画主催で何度も行われていました。
で、人間代表を決めるトーナメント戦が叡王戦だったわけです。
(わかりづらい?)
今ではコンピュータが強すぎて人間と戦っても面白くなくなっったため、この叡王戦だけが残り、ニコニコ動画がスポンサーとなって正式にタイトル戦になりました。
ニコニコ動画がスポンサーというだけあって予選から全ての対局がニコニコ生放送で放映されます。
他の棋戦で成績が上がらず対局がなかなか中継されなかった棋士でも、ここで良い対局を披露すれば一気に名を上げることができるのが良いところ。
また竜王戦と同じように、厳しい予選を抜ければ新人のプロでもタイトルを獲るチャンスがあるのも特徴的です。
まだ正式タイトルになって1年しかたっていないので今後どうなるかわかりませんが、魅力的なタイトル戦の1つだと思います。
作中では「賢王戦」という名前になってますね。
八一がたまよんのおっぱいに釘付けになった回。
永世○○って何?
作中でも名人が永世七冠をかけて八一に挑んでくることになります。永世ってなんやねんと思っている方もいるかもしれません。
一言で言うと「永世」は「凄すぎるから一生その称号名乗って良いよ」ってことです。
例えば、名人を何回も獲得した人は凄いですよね?だから名人のタイトルを失った後も引退した後も「永世名人」として一生名人を名乗って良いんです。
他のタイトルも同様。
この記事の最初の方でタイトルを1回獲れば超一流と書きましたが、何回も獲らないと手に入れられない永世称号を持つのは至難の業です。やってのけた人は超超一流です。表現がインフレしている……
で、「永世名人」「永世竜王」とか、どれか2つを獲れば「永世二冠」。超超超一流。
7つとれば「永世七冠」です。
将棋星人でもなければ無理そうですね。羽生さんは達成しましたけど。
タイトルを「何回も獲得」って、具体的に何回やねんと思うでしょうが、各タイトルによって違います。通算7期だったり連続10期だったりします。
ご興味のある方は調べてください。私は覚えてないです。
今回はこんな感じ。
需要があればもう少しこのシリーズを続けます。
りゅうおうのおしごとをもっと面白く読むために書いてほしいテーマがあれば、コメントに書いていただければ参考にします。(捌きって何?とか振り飛車って何?とか)
まあ難しいテーマを書く素養は無いですが。
次回は、たぶん駒の話かな?「飛車とは」みたいな。決めてませんが。
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