何者にもならない小市民

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ダンケルク 感想

We shall never surrender

 

 

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映画なんて久しぶりに観ました。

 

普段まったく映画みないんですよね。別に嫌いというわけではないけれど、あんまり映画館に行こうとは思わないんです。何ででしょうね。マナー悪い人が近くにいると数千円が台無しだからそれがいやなのかな。

「君の名は」も「シン・ゴジラ」も「君の膵臓を食べたい」も「打ち上げ花火、~」も食指が動かず。最近で観たのは「夜は短し歩けよ乙女」だけです。もう最近でもないか。

 

 

こないだサッカー日本代表のW杯最終予選のオーストラリア戦がありました。その番組のハーフタイムに「ダンケルク」のCMが流れて、そこに映ったイギリスの戦闘機スピットファイアがかっこ良かったので観るのを決めました。

 

ネット上でIMAXで観るべきとの話があり、せっかくなのでそれで観ることに。あとは事前準備としてダンケルクの戦いとダイナモ作戦のwikiを軽く流し読みしてからいきました。

ダンケルクの戦い - Wikipedia

ダイナモ作戦 - Wikipedia

 

wikiを読んで私がざっくり理解した当時の状況は以下のような感じ。(間違ってるかも)

1940年、第二次世界大戦初期のころはまだアメリカもソ連も日本も参戦しておらず、実質 ドイツ vs イギリス&フランス の戦争だったんですね。

電撃戦を展開したドイツがあっという間にフランスに侵攻。イギリス・フランス軍40万人をフランスの街ダンケルクに追い詰めます。

 

当時の首相チャーチルはこの兵たちを救うためにダイナモ作戦を発令。民間の船まで総動員し、武器を相当失ったものの30万人以上を救出することに成功することになります。この救出劇が本作で描かれるところですね。

 

ここで訓練された兵士たちを多く救ったことが精神的にも戦力的にもプラスに働き、後のイギリスの反撃に繋がることになったということです。チャーチルの有名な演説の一節"we shall never surrender"はこのダンケルクの戦いを受けての演説。

(ちなみにフランスは壊滅。あっという間に降伏に追い込まれます。フランスはイギリスに見捨てられたという恨みは今でもあるとかないとか。)

 

本作では3つの視点が並行に語られるという仕組みになっています。1つは逃げ惑う若いイギリス兵トミーの視点。2つめはスピットファイアを駆りドイツ軍の爆撃を阻止しようとするパイロット2人の視点。そして3つめはダンケルクへ救出に向かう遊覧船の視点。それぞれが最終的に同じ場所に集結します。

 

 

 

この映画を一言で言うなら、「戦場の理不尽を兵士の身になって追体験する映画」だなと感じました。

映画内では戦争の全容を説明する描写はなく、主人公の背景や内面も描かれず、ドイツ兵の姿を見ることもなく、死亡フラグも生存フラグも立たないまま味方がぼんぼん死んでいき、感動の再会も勝利への希望もありません。でもきっと、本当の戦争ってその通りなんでしょう。

どこから撃たれているのか、救出がいつくるのか、ここは本当に安全なのか、何の情報も得られないまま逃げ惑い、相手の爆撃や銃撃に対して身をかがめるしかやれることが無いという兵士の恐怖感をそのまま兵士の視点で映画館の迫力の映像とサウンドで感じるというのがこの映画の楽しみ方です。

 

ですから映画館で観ないと意味の無い作品だと思います。テレビで観てもおそらくこの恐怖感は十分には伝わらないでしょう。映画館の大スクリーンと大音量という環境を利用し、戦争を知らない私たちができうる限り最もリアルに戦争を感じることができるようにこの作品はつくられています。

 

感動のストーリーを期待して観に行くとがっかりするかもしれませんが、今までで一番本当の戦争の姿を感じることのできる名作だと思います。

 

 

 

 

以下、細かい点の感想を箇条書きで。ネタバレあるかも。記憶違いもあるかも。

 

・冒頭の重傷兵を病院船に運ぶシーン。当然自分が病院船に入り込むためにやった偽善的な行為だと思っていたんですが、後の行動をみるに、少なくともフランス人の彼はそういう思いはあまりなかったのかも。

スピットファイアパイロットが燃料を気にするシーン。実際スピットファイアの航続距離は相当短かったらしいので結構たいへんですね。その代わり無線と防弾がしっかりしています。ここらへんが零戦と違うところですね。

スピットファイア、どれだけ弾あるんでしょうか。あれだけ無駄撃ちしたら弾切れしそうなものです。

・ドイツの戦闘機(フォッケかな?あんまり詳しくないのでわからない)は機銃掃射はしないんですね。あれだけ人が密集していたらやりそうなもんですが。

パイロットイケメンすぎる

・終盤乗り捨てたスピットを拳銃で撃つシーン。あれは機密を消してるんでしょうか?あんなんで消せるのか?だったら海に着水した方が確実じゃない?

 

 

まあそんなところでしょうか。正直歴史やら兵器やらに詳しくもなければ感受性も想像力も低いのでたいした考察はできません。ツイッター上で検索すると鋭い考察が多く出てくるのでそれを読んで楽しんでおります。