『りゅうおうのおしごと!』3巻元ネタ集
忙しさも少し落ち着いて3巻を買ってきたのでまた元ネタをできる限り調べました。
例によって注意書き
注意:
・段位/称号はなるべく当時のもの。でも割とてきとう。
・将棋経験者にとっては冗長な記事かも。初心者向け?
・情報が正しい保証はありません。
ではいきましょう。
p14 ひたすら走った 森内俊之四段は比較的簡単な寄せを逃して敗北し、悔しさのあまり横浜の自宅まで30㎞ほど走って帰った。
森内俊之四段(当時)「ひどかったす。死にました。もう投げます」 | 将棋ペンクラブログ
p18 対局って恋愛に似てる 深浦康市九段の名言。「女房と一緒にいるよりは対戦相手のことを考えている」「相手の人は今何しているだろうかと思うようになるんですよ。今ご飯たべてるのかな、とか。」「やっぱ、恋愛に似てるのかな?と思ったんです。」「電話してみたいぐらい。」とあやしい発言を連発している。下の動画の3分ころから
p28 争いは同じレベルの者同士~ 『神のみぞ知るセカイ』の名言。カンガルーが殴り合う絵でも有名。
p39 棋士にして騎士 加藤一二三九段は聖シルベストロ教皇騎士団勲章を受賞しており、棋士にして騎士である。
p41 神 佐藤天彦名人は若いころ羽生善治三冠を「神」と呼んでいたらしい。
p44 対局が近づけば研究会も自然に中止になる 『将棋の渡辺くん』でも同様のことが描かれていた気がする。
p55 捌きの巨匠 2巻にも出たが、久保利明王将の異名「捌きのアーティスト」が元。
p57 振り飛車党総裁 ネット上でよく言われる。誰が総裁にふさわしいかはファン同士で議論が激しい。
p61 感覚を破壊された 1984年十段戦リーグ、福崎文吾九段 vs 谷川浩司名人。振り飛車の福崎が飛車を切り飛ばして猛攻を仕掛けて勝った。敗れた谷川は「感覚を破壊された」と自戦記に書いた。
谷川浩司名人(当時)「感覚を破壊された」 | 将棋ペンクラブログ
p62 不利飛車 A級棋士に振り飛車党の棋士がいないことなどからネット上でこう揶揄される。
p62 ファッ!? 『真夏の夜の淫夢』が元だろうか???
p71 オールラウンダーに俺はなる 言わずもがな『ONE PIECE』の名言「海賊王に俺はなる」が元。
p74 大道詰将棋 詳しくは 大道詰将棋 - Wikipedia
p98 スーパー銭湯の振り飛車に負けるわけにいかん 藤井猛九段の名言「しかも、にわか四間飛車党が結構いい味出すんですよ(笑)。でも、こっちは鰻しか出さない鰻屋だからね。ファミレスの鰻に負けるわけにはいかない。」が元。
p106 将棋星人 将棋界で最も有名なネタの1つ。
2008年王位戦第2局、深浦康市王位 vs 羽生善治四冠 は羽生の逆転負け。2ちゃんねるに羽生終焉説が溢れた中で次の名言が生まれた。
おまえら、もし地球に将棋星人が攻めてきて、向こうの大将と
地球代表が将棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされる
という事態になったら、地球代表は絶対羽生でないとイヤだろ?
深浦でもいいのか?深浦に地球の命運を託せるのか?
羽生をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ
以降この文は人気が出て各所で使いまわされるようになった。これに付随して羽生善治=将棋星人という説も出ている。
p129 りゅ、りゅ、りゅうお 2015年電王戦第1局 斎藤慎太郎五段 vs Apery 。Aperyが龍を取った手に驚愕した解説の村田顕弘五段は言葉につまり「りゅ、りゅ、龍を」と言って会場の笑いを誘った。
この動画の6分あたり。
p138 やめたかったらやめてええ 渡辺明竜王の息子さんの話だったような。ネットで調べても出てこないが… まあその手の話は結構ありそう。
p143 一番肩凝ってる人は将棋の棋士 理容室で村上氏の肩を揉みながら店主がそう言ったというエピソードがエッセイで紹介されている。
p144 正座ができないと引退 升田幸三は糖尿病のため正座がつらいという理由で椅子での対局を希望したが連盟に許可されず、これを機に引退を決意したとされる。
p170 奨励会を辞めて医師に 立石径三段はA級棋士になるのは確実とまで言われた才能の持ち主だったが17歳で奨励会を辞め大学の医学部に進学。後に小児科医になった。
p176 奨励会時代以上に努力している 深浦康市九段を評して森下卓九段が言った言葉
奨励会時代、あるいは若手の時に深浦君ぐらい努力した棋士は多いかもしれない。しかし、三十半ばを過ぎても深浦君ほど努力している棋士は数人だろう
p176 まるで自分が努力してこなかったように思える たぶん関係ないとは思うが一応。競泳の一ノ瀬メイ選手の言葉「イチローが嫌いだ。あの人を見ていると限界という言葉が言い訳みたいに聞こえるから」と似ている。(この発言は3巻が発売された後かも…?)
p182 賢王戦 叡王戦が元?段位別予選という制度、予選全対局がニコ生で中継されるのが特徴。2017年から叡王戦を含め八大タイトルになった。
p185 5四歩 2015年朝日杯決勝、羽生善治名人 vs 渡辺明二冠 は羽生の中飛車という意表の出だしに解説陣が「ええっ」と驚愕したシーンが印象的。下の動画の2分あたりから。
p211 限定合駒 2010年王将戦第6局、羽生善治王位 vs 久保利明九段の一局。羽生は詰ませたと思っていたが久保は3連続限定合駒で不詰みだということを読み切っていた。
羽生善治 vs. 久保利明 王将戦 - 無料の棋譜サービス 将棋DB2
p221 最新式のミサイルをフルスイング 2012年王座戦第2局、渡辺明王座 vs 羽生善治二冠。羽生は角交換四間飛車を採用した。きれいな捌きとはならなかったものの持ち前の剛腕で勝利。ネット上では「磨き上げたアサルトライフルで撲殺したみたい」と評された。
p235 ゴキゲン中飛車の由来 諸説ある。有名なのは考案者の近藤正和六段がいつもニコニコしているからという説。
p282 タダやん 2009年NHK杯、森内俊之竜王 vs 谷川浩司九段の動画についたコメントから。ここが詳しい。
ただやんとは (タダヤンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
p315 『25歳』 これ? リレーエッセーその54 亀岡奈保美さん
p320 新婚ブースト 行方八段など。逆に成績が落ちる棋士もいるらしい。
以上です。
ストーリーがシリアスパートに入ってきたということで史実に基づくネタ成分はやや少なくなったでしょうか。それでもかなりありますが。
いくつか元ネタがいかにもありそうだなあと思った箇所があったのですがネットで検索してもそれらしい情報が出てこない…
4巻もそのうち元ネタを調べます。(まだ買ってない。)
アニメが始まる前までには全巻の元ネタ書くぞ!!アニメ放送がいつか知らないけど!
2巻の感想も書きます。3巻の感想もそのうち書きます。
それではまた。
★2巻の元ネタはこちら
りゅうおうのおしごと!2巻元ネタ集 - 何者にもならない小市民
★4巻の元ネタはこちら
『りゅうおうのおしごと!』4巻元ネタ集 - 何者にもならない小市民
★超初心者向け解説記事書いてみましたNEW
(追記...p315『25歳』 の項を追加)