何者にもならない小市民

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耽美

『刺青・秘密』 感想

その女の足は、彼に取っては貴き肉の宝玉であった。 拇指から起って小指に終る繊細な五本の指の整い方、絵の島の海辺で獲れるうすべに色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠のような踵のまる味、清冽な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢。 刺青・…