何者にもならない小市民

読んだ本とか漫画の感想やメモ

ミステリ

『ルカの方舟』感想

私たちの惑星と太陽系は、宇宙の深奥という新たな大海に囲まれている。しかし、かつて地球の大海がそうであったように、それは渡れない海ではない。 ルカの方舟 (講談社文庫) 作者:伊与原 新 発売日: 2015/10/15 メディア: 文庫 またしてもお久しぶりです。…

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 感想(ネタバレ有)

「翡翠さんは、霊媒です」 不思議そうにこちらを見ている翠の瞳を見返して、香月は続けた。 「霊媒というのは、生者と死者を媒介する存在です。だとしたら、僕はあなたの力を、論理を用いて現実へと媒介する、お手伝いをしましょう」 medium 霊媒探偵…

『屍人荘の殺人』映画・小説感想(ネタバレ有)

「取引しよう」 久しぶりのその言葉を聞いた。紫湛荘に来るきっかけとなった言葉だ。 「どんな取引です?」 「死体を移動させて。できたらちゅーしてあげる」 あけましておめでとうございます(激遅)。もう2月! さて、新年最初の記事は、昨年クリスマスに観…

『じけんじゃけん!』4巻 感想

何十年か経った未来に 私が作った童謡が童謡殺人に使われるかもしれんって思ったら・・・ ぶっっち興奮する♡ じけんじゃけん!【電子限定おまけ付き】 4 (ヤングアニマルコミックス) 作者: 安田剛助 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2018/07/27 メディア: K…

『真実の10メートル手前』 感想

私は気づいた。あらゆるものの影がくっきりとする夏の日差しの下、太刀洗の顔色に赤みがさしている。それは、一日中太陽に炙られたゆえの日焼けだっただろうか? 真実の10メートル手前 (創元推理文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2…

『ラメルノエリキサ』 感想

傷は消せないし、時間は戻せない。 でも、こんな風に害された状態のまま生きていったら、私は歪んでしまう。歪んでしまった私を、私は愛せるだろうか。自分自身にすら愛されなくなるなんて、耐えられない。 私はすっきりする必要がある。 ラメルノエリキサ (…

『日曜は憧れの国』 感想

やがて四ツ谷駅前に到着する。駅のすぐ傍に建つこぎれいなビルが四谷文化センターだった。 入り口には「憧れの国へようこそ。あなたの憧れが未来への原動力です」とある。 憧れか。ではわたしみたいに対した憧れもない人間は未来に進めないのだろうか。 日曜…

『じけんじゃけん!』3巻 感想

「犯人」じゃ! いま私ぶち「犯人」になっとった! じけんじゃけん! 3 (ヤングアニマルコミックス) 作者: 安田剛助 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2017/12/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 買ってきました第3巻。 文化祭の話が終わっ…

『満願』 感想

こんな日は交番が禁煙になったことが無性に恨めしい。デスクの上には地図とファイルと電話が並ぶだけで、ずいぶん前に灰皿はなくなった。そしていまは写真入りの茶封筒が置かれている。 満願 (新潮文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 201…

連城三紀彦レジェンド2 感想

でも何一つ変わらなかった 連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集 (講談社文庫) 作者: 連城三紀彦,綾辻行人,伊坂幸太郎,小野不由美,米澤穂信 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 『連城三紀彦 レジェ…

『煙の殺意』感想

闇の夜は吉原ばかり月夜哉 『煙の殺意』 泡坂妻夫 煙の殺意 (創元推理文庫) 作者: 泡坂妻夫 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2001/11/23 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (21件) を見る 米澤穂信が帯を書いたと言うことで…

校庭には誰もいない 感想

高校生って、世界で一番忙しいのかもしれないよ。一日に千時間あったって、きっとわたしたちにはそれでも足りない。 『校庭には誰もいない』村崎友 校庭には誰もいない (角川文庫) 作者: 村崎友,五十嵐大介 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2015…

麒麟の翼(ネタばれあるかも)

ここから羽ばたいていく、はずだった 『麒麟の翼』東野圭吾 新参者でおなじみの加賀恭一郎シリーズの9?作目。今までの8作は全く読んでない(おい)。まあドラマで見たし……覚えてないけど……阿部寛がかっこよかったことだけは覚えています!渋いオジサン大好き。