『ラメルノエリキサ』 感想
傷は消せないし、時間は戻せない。
でも、こんな風に害された状態のまま生きていったら、私は歪んでしまう。歪んでしまった私を、私は愛せるだろうか。自分自身にすら愛されなくなるなんて、耐えられない。
私はすっきりする必要がある。
本屋で発見した小説。腕組みと不敵な笑みが印象的です。
帯に「やられたら絶対やり返す」「宮部みゆき氏絶賛!」と書かれていたのが目にとまりました。
女子高生の復讐少女が活躍するミステリといえば、米澤穂信の小市民シリーズ。
スイーツと復讐を何よりも愛する主人公、小佐内ゆきが魅力的です。
- 作者: 米澤穂信,饅頭屋餡子
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2008/02/27
- メディア: コミック
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小市民シリーズの大ファンたる私としては、『ラメルノエリキサ』の「やられたらやり返す」という帯と表紙の不敵な笑顔をみたら買わずにはいられません!
続きを読む『緑陽のクエスタ・リリカ』 感想
まだ、自分にできることはある。
動けなくとも、剣も杖もないのだとしても。
考えるのだ。彼方の深淵を覗き込むように、最後まで。終わりまで。
それこそが魔術師の真の杖だ。
いつかの記事でもちょろっと書いたような気がしますが、米澤穂信と並んで私が敬愛する作家がこの相沢沙呼。
弱い気持ちを振り絞って前へ進む勇気と、すべすべした女性のふとももを繊細に描写することに命をかけているミステリ作家です。
そしてこの『緑陽のクエスタ・リリカ』はそんなミステリ作家の相沢沙呼がライトノベルに挑戦した貴重な作品。
分類はハイ・ファンタジーというんでしょうか、中世ヨーロッパを舞台に剣と魔法が飛び交い知恵と勇気が道を切り拓く、王道で濃密なファンタジーです。
SAOとかの最近の異世界転移モノとは違い私たちの住む世界の価値観を持っている人はいません。
主人公を含め、基本的には全員中世の価値観を持っています。強い者が正義というのは世の常だし、エルフやゴブリンは人間より下等だし、公平な司法などありません。
神の名の下にエルフが迫害され、金のない人間には誰も味方につかない世界。理不尽がはびこる世界。
その中で主人公は理不尽への抵抗を忘れません。
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勝手にりゅうおうのおしごとかんそうせん! 居飛車と振り飛車、捌き
勝手にりゅうおうのおしごとかんそうせん! 駒の特徴
超初心者向けテキトー解説記事第2回です。今回は駒の特徴。
原作小説では各巻で何局か対局シーンがありますよね。
アレは全部元ネタとなったプロの対局があるのでちゃんと対局描写も筋が通っています。「竜を捨てた!」とか書いている(いや、書いてないかも)のもちゃんと意味があるんですね。
で、まあ詳しい対局の解説はよそに任せるとして、この記事では対局の雰囲気がわかる程度に駒の特徴だけ紹介します。
駒の動かし方なんて面倒なこと説明しないので安心してください。
一応リンクを貼っておきますの興味のある方はそちらへどうぞ。
将棋の駒・成り駒の動かし方 | 将棋のルールから覚える初心者向け入門サイト
この記事で紹介するのは駒の攻撃力、守備力、総合評価です(個人の感想。正直言うと3分ぐらいで雑に点数つけた)。ソシャゲとかの攻略サイトを眺める感覚であんまり当てにせず見てください。
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勝手にりゅうおうのおしごとかんそうせん! タイトル戦とは
私のブログで『りゅうおうのおしごと!』の元ネタを調べて紹介させていただいた記事があるんですが、結構見に来てくださる方が居て嬉しいです。
この記事が想定する読者
この記事では
『りゅうおうのおしごと!』からちょっと将棋に興味を持ったけど将棋のことが何もわからないよ!という超初心者の方向けに原作の将棋シーンの何が凄いのかがわかるように将棋のこと、将棋界のことを簡単に紹介できたらと思います。
将棋が強くなる方法とかは書きませんし書けません。これを読んでも将棋が指せるようになりません。
とにかくぱぱっと将棋の入り口を覗いてみたい方向けです。
ざっくり言うとアニメ放送の後にやっている「りゅうおうのおしごと! かんそうせん!」を私が勝手にやるみたいなイメージ。
※なるべく専門用語を使いません。別のスポーツなどに例えて説明します。
※単純化して紹介するため厳密には正しくない表現が多く含まれます。
※将棋中級者が勝手に書く記事なのでくれぐれも信用しないように。
そんな感じ。
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